「日本の治験は問題が多い」等と、日常的に使っているが、では、一般的に言って「問題」とは何だろう?
それは、「理想と現実とのギャップ(差)」だと言うことだ。
例えば、「日本の治験はモニターひとりあたり、10施設程度を担当すると効率的だが、現状では5施設程度だ。」ということ。
「10施設担当」が理想で、「5施設程度」が現状だ。
問題を解決する力は、場数を踏めば身につくというものではない。
問題解決には、実は定石がある。
これを知らなくても問題解決に取り組むことは可能だが、知っていたほうが、効率良く、確実に問題を解決することができる。
問題解決に取り組む人の6つのタイプ
(1)最初から拒否する、逃げ回るタイプ
(2)頑張るが、途中で力尽きるタイプ
(3)自分の問題なのに他の人の問題にして逃げるタイプ
(4)得意分野の問題だけを選んで取り組むタイプ(僕はこのタイプだ。)
(5)何でも受けたがる飛びつきタイプ
(6)さりげなく始め、さりげなく終わるタイプ(これが理想だ)
僕にとっての「問題」は、「問題解決にあたり、理想は6のタイプだが、僕の現状は4だ。」ということになる。
このように「問題」が分かっていなければ、問題解決はできない。
だから、まずは問題を定義することが重要となる。
ところで、「問題」と「問題の現状」を混同していないだろうか?
さきほども書いたが、問題は「理想」と「現実」との差であり、「困った。日本の治験では登録が進まない。」というのが問題の現状ということになる。
ここでの「問題」は、実は、理想とのギャップとの差を認識できるかどうかが、個人の感受性の差になるということだ。
●「問題」がわかっていなければ、問題解決はできない
問題を定義せよ。
「問題」と「問題の症状」を混ぜてはいけない。
「問題とは、困っている事柄のことである」か?
「問題とは、イヤなことである」か?
どちらの解答も「問題の症状」を捉えているが、「問題」そのものは捉えていない。
問題はたしかに「困った」「イヤな」ことである。
しかし、それでは問題と言う病気を特定したことにならない。
問題解決をする時に、とりあえず目の前にあることに取り組んで失敗する理由がここにある。
問題解決という戦いをするのであれば、敵は何か、まずそれを明確にしなければならない。
言われてみれば当たり前のことだが、多くの人はこれを怠っている。
●問題を理解していなければ、ジタバタするしかない
問題が発生すると、とりあえず何でもいいから行動を起こしてしまう。
行動を起こせば、その行動を行っている間は、「自分は問題解決行動をしているのだ」と自分にも他人にも言えることができる。
忙しくしていれば、周りも何となく安心していられるのだ。
しかし、それは、実は問題解決行動になっていないかもしれない。
それどころか、新たな問題を引き起こすことさえあるかもしれない。
問題解決に取り組むなら、問題を理解し、問題解決の基本手順やスキルを知っておくべきである。
でなければ、よほどの運が味方しない限り、いい結果を残すことはできないだろう。
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