人を育てるにはいろいろな方法がある。
しかし、そのテクニック以上に重要なのは、「育てる心」であるり、育成とは何か、という本質を正しく把握することだと思う。
方法論的には器用でも、心が不十分だと何もできない。
これは育成という問題の重要な特徴である。
「育てる」とは「変化させる」ことである。
「育てる」とか「育成」とかいうのは、よく考えてみると、漠然とした言葉である。
育成の最終目標は、企業人および社会人としての完成度を高めることにあるが、これを実際に行う人に有用な定義は「育成とは相手を変化させる」ことであると、割り切って考えることを奨めたい。
ここで「変化させるポイント」は以下のとおりだ。
(1)まずい癖を直す
(2)新しい能力をつける
(3)態度を変化させる
「育成」を、このように「変化させる」と割り切れば、自分がそれをやっているかどうかがはっきりする。
そこで、あなたに質問。「あなたは人を育てていますか?」
■部下の人生への責任(まず、殺すな)
たとえば「気はいいが、不確実」な人がいる。
こんな人に精緻な仕事をしたもらおうとすると、すぐにその人の馬脚が現れ、ミスを連発したりする。
それがもとで、会社を辞めてしまうことも考えられる等、それが彼の人生を大きく変えることがる。
「気はいいが不確実」なら、人の話を注意深く聞き、指示を復唱し確認してから動けと彼に注意し、何度か繰り返し続ければ、彼はまもなくその癖を克服したかもしれない。
それをせずに厄介払いのごとく扱うと会社にも不利益になる。
幹部は部下の人生を左右する人であり、下手すると部下はだめになってしまう。
他人の人生を支配する大変なことを自分がやっているんだという謙虚な自覚が、育てるためにまず何と言っても大切で、これがないと人を指導することはできない。
「どう育てるか」ということを考える前に、まず「殺さぬようにする」
ことが重要である。(せっかく入ってもらった新入社員だからね。)
あなたはどうだろう? 「殺さないこと」、できてますか?
■もっと人間に力をいれよう
部下や後輩を指導する人は、すべて2つのことをうまく同時に成し遂げないといけない。
1つ目は、仕事の側面、仕事をミスなく完全に管理し、また業績を上げること。
もう1つは、人間の側面、部下と信頼し信頼される関係を作り、やる気を起こさせ、育てること。
この2つである。
仕事をうまくやるためには人間の方は犠牲にしてよいというものでは断じてない。
そんなことがまかり通るような会社では、誰も安心働くことができない。
部下は仕事の手段ではない。
現実の仕事の場では、仕事の面は数字で結果が出、上からもやかましく言われるので一生懸命になりやすく、人間の面は他人にわかるようにはっきりと出ないものだから、得てして仕事の面に偏りがちなる傾向がある。
しかし、仕事の面での真の業績というのは、結局グループの人々の能力の総和、ポテンシャルが上がった程度によって決まるものだ。
もっと「人間の側面」に力を入れよう。
仕事と人間のバランスは人間を60、仕事を40くらいの力の入れ方で、ちょうど良いくらいだ。
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