2010年08月24日

■学生からの質問「何故、患者は治験に参加するのですか?」にタジタジする(医薬品ができるまで)

水曜日から金曜日まで大阪支店で、関西の薬学系大学の学生を集めてインターンシップを行った。
東京は8月の下旬にやる予定だ。

今回のインターンシップで最も驚いたのは、学生の「治験」に関する知識だった。
例えば治験審査委員会(IRB)の構成要件まで知っていた。
大学によっては「薬事法と治験」などという授業もあるとのことだ。

今回のインターンシップに参加した学生は全員「薬学生の5年生」だ。(薬学が6年制になった、最初の第一期生だ。)
こういう治験についてかなり『知識』として知っている学生だったが、やはり治験の本質までは理解は深くはなかった。
知識だけはあるが、本質の考えまではなかった。

例えば、僕が担当した研修に「同意説明文書」という項目があったのだが、同意説明文書の中身を理解すればするほど学生は疑問に思うことがあったらしい。
講義がひと段落した時に、一番前に座っていた女子学生が僕に聞いた「どうして患者さんは治験に参加してくれるのですか?なにかメリットがあるのですか?」と。
また、さらに別の男子学生からの質問で「医師が治験を行うメリットは何ですか?」というのもあった。

治験に参加することに関して「参加する(行う)メリット・デメリット論」では実際の治験の状況を理解することには繋がらない。
本質を突いているようで、そうでもないと言える。


しかし、学生にとっては最も素朴で最も本質をつく質問だろう。(こういう素朴で本質を突いてくる質問がでるかどうかが、研修の良しあしのひとつの指標になる。)

「何故、患者は治験に参加してくれるのか?」という学生からの質問に対して、僕はこう応じた「どうしてだと思う? 何故、患者さんは治験に参加してくると思う?」

患者さんにしてみれば「効果」も「安全性」も確立していない訳の分からない化合物を飲まされるわけだ。
場合によっては補償もされるが、それだけ、治験は「危険」を伴うものだという証拠でもある。

僕の中には当然だが、いくつかの答えらしきもがあるのだが、それは敢えて、学生に教えない。
まず、学生自身がそれを考えることから、モニターとしての自覚が生まれてくるのだ。

前述の質問に対して、現役のモニターが全員、満足な答えを出されるとは限らない。(まぁ、正解はないのだが。)

当社のインターンシップに参加したことをきっかけに「何故、患者さんが治験に参加してくれるのか」ということを学生に考えてもらうことを宿題とした。



あなたなら、どう答えますか?

例えば治験責任医師から「この治験に参加する私のメリットは何?」とか「このフェーズ2ではプラセボ群もあるよね。そんな治験に患者さんが参加するメリットを教えてよ。そうでないと、同意説明の時に困るんだよ。」と問われたときに、どう答えるのか?

治験に関しての永遠の課題だ。

これは僕たちにとって、永遠の課題だ。

患者さんは何故、治験に参加してくれるのだろう? 
まだ薬なのか毒なのか分からない、そんな治験薬を自分の体で試験する、文字通り患者さんは「命をはって」治験に参加してくれる。

モニターは「命をはって」仕事をしているだろうか?


23、4歳の学生に刺激を受けて、こんなことを考えたのでした。

東京でのインターンシップで、どのような刺激を受けて、僕がどう成長するか、今から楽しみだ。



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posted by ホーライ at 20:53| Comment(0) | ●医薬品ができるまで | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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